家に帰ってからも
幸せの余韻に浸っていた。
部屋のベッドでゴロゴロしていると
夕方、母親におつかいを頼まれた。
「これ、お向かいにお裾分け。
持っていって。」
鍋に入った
大量のカボチャの煮物
「こんなシブい物
…迷惑なんじゃない?
しかも…大量だし、、、」
諒ちゃんは、カボチャ大好きなんだよ。
絶対に喜ぶから!!」
自信満々の母に言われ
両手で鍋を抱え
山田家に向かった。
「こんにちはーー!」
両手が塞がっている為
足でドアをゴンゴンと叩きながら
大声で叫ぶ。
部活が終わり
もう…帰ってきている時間。
基本、部活がある日は
美優ちゃんには会わないので
もしかしたら…出てくるかも…。
ドキドキしながら待っていると
雄大が出てきた。
「びっくりした~!
まゆかよ(笑)
あれ、鍋?おばさんから?」
彼がチラリと鍋に視線を移す。
「うん。カボチャの煮物だって。」
「へぇ~嬉しいね。ありがとう。」
その後、雄大が何か話していたけれど
そんな言葉は上の空で…
私は、諒太がまだ帰ってきていないかと
玄関の靴を、チラチラと横目でチェックしていた。
そんな私の様子に気付いて
笑い出す彼。「諒太はまだだよ。
帰ってくるまで待ってる?」
「あ、、、、いや、、、
別に、、、」
私がしどろもどろしていると
彼は、グイッと私の腕を掴んだ。
「上がって。」
一瞬…躊躇したが
私は、お邪魔する事にした。
*