*咲希のお話部屋*

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『いい女の条件~彼から学んだ事』
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2019年02月

「こんなに夜遅く出掛けたら
危ないだろ…って説教してたんだよ。

……ゴメン

泣かせるつもりじゃなかった。」

彼はそう言うと
申し訳なさそうに頭を下げた。


違う…

雄大は悪くない。

私が勝手に泣いただけで、、、


手を伸ばし
そう言いたかったけれど

どう言い訳をしても
この状況の中
彼の立場を
悪くしてしまうような気がして



何も言えなかった。

「純平、あまりまゆを
遅くに連れまわすなよ。

何かあったらどうする?」

雄大が真剣な顔をして
純平に詰め寄る。

すると

「何かあったら
全て責任とりますよ。」

「全て…ねぇ…」

純平の迷いのない言葉に
ふぅ…と溜め息をついた。

そして、チラリと私を見つめ
少し諦めたような、困った顔をした。

「まゆ、あまり遅くならないようにな。
俺だって、いつまでもフォロー出来ないぞ。」

「……うん、わかってる。」

ポンと私の頭を叩くと
雄大は、純平に目配せをし
そのまま家に戻っていった。

チラリと純平の顔を見ると
口に手を当てて
何かを考えているような顔。

「純平?」

声をかけても
何も返事がない。

「純平!!!」

再度、呼ぶと
ハッとした顔。

「……ゴメン。」

珍しく、純平が素直に謝るから
びっくりする。

「……どうしたの?」

彼の顔を覗き込む。

すると

「いや…雄大さんの言う事も
もっともだな…って。」

「え?」

「俺、お前に会いたくて
思わず来ちまったけど、、

よくよく考えたら
女子高生を深夜に呼び出すとか
非常識だよな。」

「何を…今更!

散々深夜に呼び出してんじゃん!
酔っ払って電話してきた事もあるし。」

「はは…だな。」

「そうだよー!」

2人でふふ…っと笑う。

そして

視線がぶつかった瞬間…




どちらからとなく
自然にキスをした。


深夜の…

しかも

自宅前なんて…


けれども


そんな事を心配する余裕もない程
私は、純平の温もりを欲していた。


彼の唇で

全てを浄化して欲しかった。


「まゆ…」


彼の声が
耳元で響く。


それだけで
全身がビビッと
雷に打たれたかのように


彼への思いが溢れ…巡っていく。


剛の事や雄大の事が心配なのに……


さっきまで、それで悩んでいたのに…


彼と触れあっているだけで
今のこの幸せを優先してしまう自分。


いけない……と、思いつつも


もう目の前の彼しか見えない程
私は、彼に溺れていた。






「お前の事、ずっと好きだった。

子供の頃から…」


明らかにいつもの雄大とは違って
少し低いトーンで話すから…


目が…そらせない。

何て答えていいのか?
言葉に詰まってしまった。

「お前が諒太を好きだって
ずっと前から気づいてた。

だから、俺は…

ずっと自分の気持ちを言わなかった。

諒太なら……

諒太なら安心して
お前を任せられると思ったから。



……けど、、、」


「……っ、諒太には彼女が…」


諒太に彼女が出来て
落ち込んだ時の事を思いだす。


本当に…あの時は
地獄のような毎日だった。


「そうだな…」


彼はポツリとそう言うと
愁然として頭を垂れた。

「私……

純平のお陰で立ち直れたの。

純平がいなかったら
きっと、ずっと
メソメソしていたかもしれない。」


私の言葉に
雄大は静かに顔を上げた。


「雄大が、私を
想ってくれていたのは嬉しい。

私も、雄大の事…大好きだから。

でもね

今、私が一番に会いたいのは
純平なの。

いつも頭の中に浮かぶのは
彼なの…

だから………


ごめんなさい。」


残酷な言葉をかけているのは
わかっていた。

でも、自分も…

下手に期待をしてしまうような
曖昧にされるのは 
嫌だったから…

ここは、はっきり言いたかった。

雄大の為にも…


……けど…


雄大の気持ちを思うと
涙が溢れてくる。

彼も私と同じだったのだ。

彼は一体
どんな覚悟で
私に気持ちを伝えたのだろう。

ずっとずっと
秘めていた思い。

本当は、こんなタイミングで
言うつもりじゃなかったはず。

それを思うと
苦しくてたまらない…

ギュッと拳を握り締め
目を瞑り、唇も噛み締める。

けれども、我慢しようとすればするほど
次から次へと涙が溢れてきて




もう…止まらなかった。


「俺の方こそ、ごめん…
泣かせるつもりじゃなかった。」

雄大の声が頭上から
僅かに聞こえた瞬間…



「……まゆ!」


走ってきたのか

息を切らせ
ハァハァとした純平がやってきた。

「じゅん……ぺい…」

涙でグチャグチャな顔の私を見て
驚いた顔。

「まだ泣いてたのか?
一体、何があったんだよ?」

キッと、雄大を睨み付け

「雄大さん、これ…どういう事ですか?」

「……純平、違うの…これは私が…!」

私が弁解しようにも
彼は、きかない。

きっと、さっきの電話も
雄大がからんでいると
誤解している…


「雄大さん!」


純平の声が静まり返った場所で
大きく響く。

すると

ふぅ…と、溜め息をつきながら

雄大が静かに話し始めた。






どうしよう……


もう直ぐ……純平が来てしまう。


誕生日のサプライズで
バイトを始めて

その事がきっかけで
剛と関わる事が増えて
こんな事になったとバレてしまったら…

「お願い…

純平にだけは言わないで欲しい。

バイトはね、純平の誕生日プレゼントを
買う為に始めたの。

だから、今は…知られたくない…」


「そんな事言ってる場合じゃないだろ?」


「そんな事って…!

私にとっては、凄く大事な事だよ!!

雄大には助けて貰って感謝してる。

……でも

これは、私の問題だし
今は、そっといておいて欲しい!!」

やや声を荒げて彼に訴えた。

真剣な眼差しで
彼をじっと見つめる。

早く話を切り上げたかった。




けれども……

「……それは無理だ。」

「何で?!」

「お前が心配だから。」

「だから、私がいいって言ってるじゃん!!
何でそこまで雄大に
指図されなきゃならないの?

お願いだから…ほうっておいてよ!!」

半分叫ぶように声を張り上げる。


もう話は平行線だ…

悔しいの悲しいのか
涙がじわりと浮かび

私は隠すように、再び彼に背を向けた。


すると…


「……ゴメン…」


雄大は静かに謝った。


「俺は……お前のあんな怯えて苦しむ姿…
もう二度と見たくないんだよ。」

「……雄大…」

彼の眼差しが
痛いくらいに刺さって

胸がズキンと響いた。


「………ごめんなさい。」

「保護者ずらされて
ウザイって思われてるかもだけど…

そうじゃない。

俺がお前を心配するのは…

お前が好きだから。」

「…………うん、わかってる。」

「いや、わかってない。」

「え?…」

「お前、何もわかってない。」

雄大の言いたい事の意味がわからず
思わず首を傾げる。

「わかってないって…どういう事?」

「俺の言う好きは、家族愛とかじゃないよ。」

「……え?」

「意味、わからない?」

雄大なちょっぴり困った顔をして
ふぅ…と、ため息をついた。





その場に気まずい空気が流れる。

彼と目線を合わせられなくて 
俯き、手をぎゅっと握った。

「別にさ……

俺だって意地悪したくて
言ってるんじゃないよ。」

声のトーンが
少し声が穏やかになった。

恐る恐る顔を上げ
視線を彼に向けると

彼は、再び大きなため息をついた。

「今日……
あれだけ怖い思いしたんだぞ?

こんな夜に、1人で外に出るとか
ありえないだろ?

純平は…

今日の事、知ってるのか?」


私は黙って首を振った。


「何で話さない?

お前は被害者なんだから
言えないような事なんてないだろ?」

「……それは…」


元はと言えば私の責任だし




誕生日の
サプライズだったから……



…………そう言いたかったけれど


何を言っても

きっと彼は
納得してくれない気がして……

「ゴメン……もう、そろそろ
純平来るから…!」

私は、逃げるように話を切り
彼に背を向け、歩き出した。

こんな所
純平に見られたら

きっと嫌な思いをする…

だから

早く終わらせたかった。

雄大から離れたかった。


なのに……


それがいけなかった。


「おい、待てよ!」


背後から
ギュッと手首を掴まれた。

恐る恐る、後ろを振り向く。

「話はまだ終わってない。
言いにくいなら、俺が直接言う。」

「……っ、それは…ヤメて!!!」

懇願するような眼差しで
じっと彼を見つめる


けれども…


彼は、首を振り
厳しい姿勢を崩さなかった。

「これからアイツと
付き合っていくのなら…

どんな事情があるにせよ
きちんと話さないとダメだ…!」


雄大の真剣な眼差しに

私は、身動きがとれなくなった。








「純平……っ…」

切られた電話に向かって
思わず声をあげる。


どうしよう…


ぎゅっとスマホを握りしめ
その場に立ち尽くした。

今、もし彼に会ってしまったら…
冷静でいられる自信がない…



……けど……



会いたい



会って抱きしめて欲しい



汚れた身体と心を
綺麗に洗い流して欲しい…


彼の温もりに癒されたい……



チラリと時計を見る。

時刻はもう
深夜11時になろうとしていた。


一階の親はもう寝ている。


抜け出そうと思えば…
抜け出せる。

どうしようという思いよりも
純平に会いたいという
気持ちの方が上回り
私は、急いで身支度をした。


リップを持つ手が震えている。
 

この震えは…何なのだろうか?


「………っ」


何かの拍子に
今日の出来事が思い出されるのか

心の奥底に何かモヤモヤした
どす黒いものを感じて
胃がキリリと痛む。


純平……


下唇をぎゅっと噛み締め
気持ちを立て直す。


きっと純平の顔を見れば……
落ち着くはずだから…


大丈夫……



親にバレないように
階段をそーっと降りて
玄関を目指す。

息を殺し
ドアを静かに開け
何とかバレずに外に出た。


シーンと静まり返った道路

ちょっぴりひんやりとした空気


いつもなら
気持ちいいとさえ思えるはずなのに  

街灯はあるものの
暗闇の中に1人でいるのは心細い。



ガサガサッ……


「きゃっ!」


風に揺れた木の音ですら
怖いと思ってしまう…


早く……来て……


両手で自分自身を抱きしめて
彼が来るのをひたすら待った。


「……まゆ?」


しばらくして
背後から声が聞こえた。


「何やってんだ?」


目の前には、雄大がいた。


「…雄大…なんで?」


「お前が外に出ていくのが見えたから。」


いつもより、低いトーンで


眉間にシワを寄せ
明らかに怒った声。


「えと……純平を…待ってて、、、」


「こんなに遅くに何やってんだよ!!

ただでさえ…今日はっ……」


途中まで言いかけて
雄大は慌てて口を抑えた。


「ちがうの……これは…」


言い訳をしようにも
何を言っても聞いて貰えないような
気がした。


「今日は止めろ。
明日、学校で会えるだろ?」

「だって…純平もう向かってるし…」

「携帯で連絡すればいいだろ?」

「……でも……」


私がオロオロしていると
雄大はふぅ……と、息をついた。




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