*咲希のお話部屋*

私の過去&小説 etc…

最新情報、更新情報などは
Twitterにて発信しております★

右側のカエル姿の私の画像をクリックしてください♪


現在エブリスタにて

『いい女の条件~彼から学んだ事』
↓↓↓
https://estar.jp/_novel_view?w=25347542

アップしています。

2019年01月

諒太の言葉が耳の奥まで響く。


《起きてたんだろ?》



うそ……


バレ…てた…?


あまりの驚きに
目を大きく見開き
思わず両手で口を覆った。


「次の日の朝

お前の態度見て…すぐにわかった。」
 

しらをきり通す事もできたけれど
どう答えていいのかわからなくて

私は黙ったまま
彼の言葉を聞いていた。


「俺…その時思ったんだよ。

まゆは大人だな…って。
さっきの事もそう。

俺の事、気を遣って
気まずくならないようにしてくれた。

本当は、怒りたいのに

我慢して…」


「別に…そんな事……ない…」


本当に…怒りたいなんて
これっぽっちも思っていなかったから

ただ、そう言っただけなのに…


「無理すんなよ…」

彼は、そう言うと
黙ってしまった。

しばらく…気まずい沈黙が続いた。


言いたい事も

聞きたい事も

山ほどあるのに…


熱のせいか
それとも、衝撃が大き過ぎたのか

思考回路がおかしくなっていて
全然言葉が出ない。

どうしよう……

気持ちだけが焦り
布団をギュッと握りしめた。

大きく深呼吸をして
ゆっくり頭を整理する。

今、彼に聞きたい事


《何故、私にキスをしたの?》 


ずっと気になっていた。


どうして?

私の事が好きだから?


それとも

単なる気の迷い?

おふざけ?


真実を知るのが怖かったけれど

聞くチャンスは
今しかないと思った。

「ねぇ、諒太。
一つ聞いていい?」

「……何?」


「どうして……

私にキスをしたの?」






*

「あの…さ…

気にしないで……

私…諒太にだったら
見られても平気だから…」


動揺している心を
落ち着かせて
必死で声を絞り出した。

諒太だけは特別…

そんな思いを込めて。



諒太の事、大好きだから…

ずっとずっと

好きだったから……

だから…いいんだよ。


言えたらいいのに…
言えない自分が情けなくて

恥ずかしさと、悲しさが入り混じり

…自然に涙が溢れ出る。


「ほら、小さい頃は…
一緒にお風呂だって入ったしさ…」


無理をして

明るい声で、おちゃらけて
笑いに変えようとしたのだけど…


「どうしてお前は
そんなに冷静でいられるんだよ。

もう…俺達
あの頃とは違うんだよ。」


少し怒った口調でそう言うと
『ノックをしなかった俺が悪い。
本当、ごめん』と

彼は、申し訳なさそうに
何度も謝っていた。

その謝り方は
何だかとても他人行儀で

ドア越しの会話は
やっぱり、少しぎこちなくて

どうしてこうなってしまったのだろう?…と

そんな思いが
頭の中をグルグルと駆け巡る。


気まずい空気が続き
何か話さなければ…と
考えていると


「……あの時だって…」 


諒太がポツリと呟いた。


……あの時?


「あの時って…何?」


彼の言葉の意味がわからず
何の事なのか、聞いてみる。


ところが


「やっぱりいい…」


彼は、そう言うと口を閉ざした。


「何?気になるじゃん!」

「もう…いいよ。」

「よくない!言ってよ!!」


いつもストレートな諒太が
こんなにグダグダしているのが
信じられなくて…

でも、何か言いたそうなのは
間違いなくて

思わず、声を荒げてしまった。


しばらくの沈黙の後

「じゃあ…言うけど…」

「うん…」

「あの時…本当は、起きてたんだろ?」

「え…?」


「眠ってるお前に…

俺が…キス…した時…」





*

佐竹君に告白された翌日
重い気持ちで目が覚めた。

振られた訳でもないのに
間接的に振られたも同然だったから。

佐竹君の告白を断ったから
ますます諒太とも
ギクシャクするのかな…と
憂鬱な気持ちになる。


その日


あまりにも気持ちがのらなくて
とても頭が痛くて

ダルいな…と、思ったら
熱が38度もあった。

何もしたくなかったから
私にとっては好都合で

私は学校を休み
食事も摂らずに
一日中ベッドで寝ていた。

ウトウトしては目覚め
また、ウトウトしては目覚め

一体、今は何時なのかもわからず
目が覚めたら
寝汗がビッショリだった。

お風呂に入りたかったけれど
熱のせいか、フラフラして
とてもバスルームまで
歩けそうにない。

仕方がなしに、よろけながら
着替えを出し
タオルで身体を拭いていく

ブラジャーの締め付けが
無性に気持ち悪くて
ホックを外し

上半身裸になったその瞬間…







ノックも無しに
いきなりドアが開けられた。



「……!?」


「………あっ…」






バタン…と
勢いよく閉まるドア。



「ごめ……!!!

高熱で寝込んでるって聞いてたから
起こしちゃ悪いと思って……」



何故か、そこには諒太がいて……
ドア越しに大声で謝る彼。

明らかに
動揺しているのがわかる。

恥ずかしくて、パニック状態の私。


やだ…なんで?!


どうして諒太がいるの?!


汗で頭はグチャグチャ


しかも…真正面から…



見られた…



最悪……




熱のせいなのか…

現実逃避なのか…

頭が回らない…


フラフラしながら
深く呼吸をし

何とか冷静に…と
気持ちを落ち着かせる。


落ち着け…

落ち着け…


とにかく今は
ギクシャクしている関係を
何とか元に戻さなきゃ…


だって諒太が

せっかく来てくれたのだから…






*

ところが、佐竹君は
難しい顔をして首を横に降った。


「それが、俺がまゆちゃんの事
好きって言っても
全然動揺もしなくてさ。

それどころか
協力するとか言い出して…。」


「…え?」


協力?

諒太は、佐竹君と私の
恋の応援をすると言ったの?

その一言に
ズン…と、心に大きな錘が乗ったような
重い気持ちになった。


「そっか……」

「うん……」

「じゃあきっと
佐竹君の思い違いだね。

諒太はいつだって
ストレートに物を言うし…

例え親友と同じ人を好きになっても
ちゃんとハッキリ言うんじゃないかな?

きっと私の事は……

幼なじみとしての好き…なんだよ。」


自分で言いながら
悲しくて泣きそうになる。

そんな気持ちを必死に抑え
私は、無理をして笑顔を作った。


「う~ん、、、、
そうは思えないけどなぁ~」

難しい顔をして
首を傾げる佐竹君。

「じゃあ、まゆちゃんもそうなの?」

「……え?」

「あんなに仲良しなのに
恋愛感情とか…ないの?

それとも他に、、、
好きな奴…いる…とか?」







「……いるよ。」



彼の言葉に
素直に応える事が出来なくて


つい…言ってしまった。


自分の発した言葉に
心の中が闇に包まれていく。


この時

何故、咄嗟に嘘をついたのか
自分でもよくわからない。

諒太にとって私は
幼なじみ以上でも以下でもない

キスをされて
舞い上がっていたけれど

特に深い意味なんて
きっとなかった

ちょっとした
気の迷いだった…

だからもう…諦めなきゃ…と


無意識に


自分を守ろうとしていたのかもしれない。



諒太の心が…
まるでわからない。


何故…


佐竹君の恋の応援をしたの?



私の事…


本当に何とも思ってないの?


じゃあ、何でキスしたの?


頭の中がグチャグチャで
立っているのがやっとだった。


彼の気持ちが
死ぬほど知りたかった。



でも


正直…聞くのが怖かった。



何故なら
私が今、彼に告白しても


例え、私の事が好きだったとしても


彼はきっと…イエスとは言わないから。


親友を振った女と付き合うなんて
絶対にしない人だから…。




*



私のリアクションに 
頭をかきながら
困った顔をする彼。

「あのさ…

別に、困らせるつもりで
言ったんじゃないんだ。

ただ、伝えたかっただけだから。

だから…返事とかいいから。」


「……え?」

「諒太の事、好きなんだろ?」


彼のその一言に
息が止まりそうになった。

呼吸が苦しくなり
体中が震えていくのがわかる。

動揺している事を
悟られたくなくて…

でも

彼の視線をそらす事が出来なくて…

私は、気持ちを落ち着かせるために

片方の手で
もう片方の腕をギュッと握った。


「ずっと見てたから、わかるよ。」


彼の言葉に…

その、切なそうな顔に…

胸が…ズキンと痛んだ。


そんな彼の姿に


私は、素直に首を縦に振る事が
出来なかった。


「俺ね…来月、転校するの。

転校って、言っても
隣の市の学校なんだけど…

だから…最後にってね。」


笑いながら
少しおちゃらけて

私に負担をかけないように
気を遣ってくれてるのがわかった。


「それとさ、、、

俺が告白するって知ったら

諒太の奴、少しは焦るかなって思って。」


「……え?」


にっこり笑い
私の顔を覗き込む彼。

佐竹君の言葉に
徐々に脈があがっていく。

「ど…いう…意味?」

「そのまんまの意味だよ。

俺の見立てでは

あいつは絶対に
まゆちゃんが好きだと思う。」

自信ありげの佐竹君の言葉に
ちょっぴり嬉しく思いながら

「それで……

諒太は、焦ってたの?」


ドキドキしながら聞いてみた。






*

↑このページのトップヘ