*咲希のお話部屋*

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『いい女の条件~彼から学んだ事』
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2018年12月

勢いよく戻ってきたくせに


2人を見ていたら
怖じ気づいて
私は、そのまま彼らに背を向けた。


あたしは…小心者だ。


心のどこかで
諒太も同じ気持ちでいるのでは…?なんて
どこかで思っていたのに


あのような状況を目の当たりにすると
全く自信が持てない。


トボトボと階段を降りると
バッタリと佐竹くんに会った。


佐竹くんは、私の特訓に付き合ってくれた
諒太の親友。


『あれ?まゆちゃん
一度帰ったんじゃなかったの?』


『あ…えと、、、
ちよっと忘れ物しちゃって、、、』


うまく言い訳を考えてながら
話を切り上げようとしたけれど

彼は、全然関係ない話を振ってきて
しばらく立ち話をするハメになった。


もう早く帰りたい…


そう思いながら、彼の話に相槌をうつ。


すると、頭上から


『あれ?…まゆ?』


諒太の声が聞こえた。


隣には…さっき一緒だった女の子。


正面からしっかり見ると
透き通るような白い肌に
可愛らしい顔立ち。


いかにも…性格の良さそうな子だった。


非の打ち所がない彼女に
再び、心の中にモヤモヤが芽生え


胸がチクリと痛み


私は…目をそらした。


『じゃあ、諒太くん、またね!』

『おぅ!おつかれー!』


彼女は、柔らかい笑顔でそう言うと
1人階段をタタタ…と
軽快に降りていった。

『お前ら2人で何やってたんだよ~!
アヤシイなぁ~!』


何となく、冷やかすように
ニヤニヤ笑いながら
諒太は、私と佐竹くんに言った。


『別に…俺達は、、、
ただ、ここで偶然あっただけで、、、
ね?まゆちゃん、』

『あ…うん。』

諒太に突っ込まれ
顔を真っ赤にしながら
必死で弁解する佐竹くん。

『ふ~ん、まぁいいや。
それよりも、まゆ、何でここにいるの?』


『えと…忘れ物しちゃって、、、』


…さすがに
諒太に会いに来たとは言えなかった。


『じゃあ、一緒に教室戻ろうか。
俺ももう、帰るし。』

『あ、、、うん。』

『佐竹も一緒に帰る?』

『あ、、、いや俺は
まだ担任に呼ばれてるから。』

『そっか~』


そのまま佐竹くんは
職員室へ向かった。

諒太と2人っきりで
階段を上っていく

重い足取りに気付いたのか

『まゆ?…どうかした?』

諒太が、不思議そうな顔をして
私の顔を覗き込んだ。






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*

今までに感じた事のない
どす黒い感情

不安と焦り…そして、嫉妬…


頭の中が混乱して
感情が…うまくコントロール出来ない。

いつかはこんな日が来ると
わかっていた事なのに


何故、私は…立ち止まっていたのだろう?



このままずっと
一緒にいられる保証なんて…ないのに。


学校に到着し
私は、上靴も履かずに
裸足のまま、廊下を走った。

今日は部活はないけれど
諒太は追試の為、学校に残っていた。

だからまだ…教室にいるはず。

ところが、教室を覗くと
机の上にカバンはあるものの
諒太の姿は見あたらなかった。


『どこにいるの?』


早く会って…真実を確かめたい。


教室を飛び出し 
私は心当たりのある場所を
あちこち探した。


そして


渡り廊下で
女の子と喋っている諒太を見つけた。


見た事のない女の子。
他のクラスの子だろうか?

全く知らない人だった。

優しい笑顔で
彼女と楽しそうに話している。

そして、相手の女の子も
とても楽しそう。

今までなら、彼が誰かと喋っていても
簡単に割り込む事が出来たのに


足がすくんで…動かない。


彼女が…


告白をしてきた女の子なの?

本当はもう…付き合っているの?


頭の中で質問しても
諒太が答えてくれる訳もなく

心の中がモヤモヤして
胸が…苦しくてたまらなかった。


そして


ただ…女の子と
会話しているだけなのに

こんなにも
自分は独占欲が強かったのかと


そんな自分が


嫌で嫌でたまらなかった。







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*

『それって…


どういう意味?』


いつもストレートな諒太が


何となく、奥歯に物が挟まった言い方をするから、気が気じゃなかった。


『そのまんまの意味だよ。』


彼は、そう言うと


私が質問した事に対して
明確な返事をせずに


『まぁ~あんまり深く考えんなよ。』


そう言いながら


私の頭をポンっと叩き
まるで誤魔化すように
いつものおちゃらけた笑いをした。


とても気になったけれど


それ以上追及してはいけないような雰囲気で


私は、口を閉ざした。



今まで


彼の事は
殆ど理解しているつもりだった。


ずっと一緒にいて


隣で見てきたから。


なのに、この時


初めて…彼との距離を感じた。


諒太…今、何を考えてる?


どんなに悩んでも
答えは出なくて


しばらくの間
落ち着かない日々を過ごした。




そんなある日の事


私にとって衝撃的な事が起こった。


それは、偶然久し振りに
雄大と2人だけで帰った時


彼の口から


驚く事を聞かされた。



《諒太、女の子に告白されたらしいよ。》



その瞬間



頭の中が真っ白になった。



『それって…いつの話?』


『さぁ~、いつだったっけかな?

でも最近だよ。』


『相手は…どんな人なの?』


『俺は直接見た訳じゃないから 

わからないけど、、、

でも、可愛い子だったって

あいつ…嬉しそうに自慢してたよ。』



雄大のその一言に


頭をハンマーでかち割られたような
大きな衝撃を受けた。


今まで、感じた事のない
大きな焦り



どうしよう…


もしも諒太が…


別の人の所に…いってしまったら…


告白する前に


彼を、失ってしまったら、、、


考えただけで


気が狂いそうになる。



『それで…諒太は、どう返事したの?』


切羽詰まった顔で
雄大に詰め寄った。


『ねぇ…雄大!教えて。』


雄大の肩を掴みユサユサと揺さぶる。


彼は、そんな私をみつめ
苦笑いをした。


『そんなに気になるなら

直接本人に聞いたらいいんじゃない?』



そんな彼の一言に



『ゴメン!ちょっと行ってくる!!』



私は、いてもたってもいられなくなり



まだ学校に残っている諒太の元へ…



全速力で走り出した。





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*


『そんな事ないよ…!


正直、最初は悲しかったし


腹も立ったけど、、、


今は、本当に感謝してるよ。』


諒太が強引に特訓してくれなければ


きっと私は


ずっとクラスの中で
辛い立場のままだった。


苦手だった運動を
楽しいと思えたのは


それを克服して
達成感を得られたのは


間違いなく…諒太のおかげ。



『諒太はさ…いつも真っ直ぐで


壁にぶつかっても
一生懸命解決策を考えるし
努力もするよね。


嫌な事や、大変な事から
絶対に逃げたりしない。


誰かが困っていれば
後先考えずに助けてくれるし
無鉄砲だな…って思う事もあるけど


私…諒太のそういうところ…


本当に凄いって思うし


…尊敬してるよ。』



最後の一言は


〈尊敬〉…ではなく

〈大好きだよ〉って言いたかった。


小さい頃からずっと見てきた。


心の底に…秘めていた思い。


彼に対する思いは


ただ、好きとか嫌いだけの
浮ついた気持ちだけじゃない。


家族として、友として


そして…男として


愛とか恋とか
そんな言葉だけでは表現できないぐらいの


沢山の思いがあった。


けれども

 
どさくさに紛れて告白しても


それだけの思いが
うまく伝わらないような気がして


真剣に受け止めて貰えないような気がして


私は、思いとどまった。



私なりに、精一杯彼を
褒め称えたつもりだったけれど


 
私の言葉に



彼は顔を曇らせた。



『俺は…




まゆが思ってるほど


そんなに…真っ直ぐじゃないし


出来た人間じゃないよ。』


 
『…えっ? 』




少し、寂しそうな顔をして


意味ありげな言葉を言うから



何だかとても…



不安になった。







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*

本番当日

私達グループは、全力を出し切り
最後まで抜かされずに走りきった。

クラスの他のグループも
物凄い連携で
かなりのスピードだった。

けれども、周りのクラスも
大分レベルが高く
接戦が繰り広げられた。

皆がヒートアップする中
私も、今までに出した事もないような 
物凄い大声で、一生懸命応援した。

勝負は最後の最後まで、接戦だった。

ハラハラしながら
祈るような気持ちて、見守る。


ところが

あと一歩……という所で
私達のクラスは負けてしまった。

結果は2位だった

他のどのクラスよりも沢山練習し
努力してきた私達。

前日に1位をとっていただけに
とても悔しかった。


みんな泣いていた。

私も…泣いた。

生まれて初めて
勝負に負けて…悔しくて泣いた。 

『佐藤さん、本当に頑張ったよね!』
閉会式の後、クラスメイトと
担任の先生に声をかけられた。

優勝は出来なかったけれど
クラスの結束力に
先生は、とても感動していて

頑張ったご褒美に…と
その日の宿題は無しになった。


優勝は出来なかったけれど
いつもビリ2だったのに
2位まで上り詰めた私達。

努力をすれば
現実を変えられる事もあるのだと
そんな事を知った日。

私は、悔しいながらも
達成感を得ていた。

『諒太、ありがとうね。』

その日の帰り
私は、改めて諒太にお礼を言った。

『今なら、諒太の言いたかった事わかるよ。
行動を起こす前から
ダメと決めつけて諦めちゃダメだよね。

逃げずに、一生懸命頑張る事って
難しいけど、、凄く大事だね。』

心の底から思った事を
素直に言った。

『…そうだな。俺も…そう思うよ。

でもさ、、、
誰もが、全ての事に
勇気が出せる訳じゃないし
努力も出来る訳じゃないし…

難しいよな…』

『…うん。そうだね。』

『…俺さ

お前に偉そうな事言っちゃったけど

自分自身はどうなんだ…って
色々考えちゃったよ。

お前の気持ちも考えずに
押し付けがましい事して…ごめんな。』

申し訳なさそうな顔の諒太

その表情を見て
何だか胸が切なくなり
大きく首を振った。

『そんな事ない!!
私…諒太に感謝してるよ。

諒太はいつも真っ直ぐで
壁にぶつかっても
一生懸命解決策を考えるし
努力もする。

嫌な事や、大変な事から
絶対に逃げたりしない。

誰かが困っていれば
後先考えずに助けてくれるし
無鉄砲だな…って思う事もあるけど
私…諒太のそういうところ…


凄く…



尊敬してるよ。』



最後の一言は


〈尊敬〉…ではなく

〈大好きだよ〉って言いたかった。


けれども

どさくさに紛れて告白しても
深く受け止められないような気がして
思いとどまった。

私なりに、精一杯彼を
褒め称えたつもりだった

なのに、、、

その言葉に
彼は顔を曇らせた。

『俺は…


まゆが思ってるほど


そんなに…出来た人間じゃない。』


少し、寂しそうな顔をして
意味ありげな言葉を言うから


何だかとても…不安になった。





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