結局、雄大の言葉もあり
何となく出歩く事に抵抗を感じ…

家の前で、少しだけ立ち話をする事になった。

電話口で泣いてた事を
もっと追及されるかと思ったけれど
彼は何も聞いて来なかった。

けれども

さっきの雄大の様子がおかしかったと
何かを感じたようで
複雑な顔をしていた。

「さっきさ…

雄大さんが、もうフォロー出来ないぞって
言ってたけど…
何か…あったのか?」

「えっ?」

こういう所は、本当に鋭い。

「俺の知らない所で
雄大さんとまゆだけが知ってる秘密とか
そう言うの嫌だからな。

何かあれば、まず俺に言えよ。」

突き刺さるような視線。

真っ直ぐに見つめられ

後ろめたさから
目を逸らしたいのに…
身動きがとれなくなる。

と、同時に

“何かあったのか?“

その言葉に反応してしまい
今日の出来事が
突然フラッシュバックし
気分が悪くなった。

フラリとする身体を
何とかもたせようと試みるも

色んな思いが溢れ出て
意識を失いそうになる。

そのまま彼の胸の中に
倒れるように飛び込んだ。

「……まゆ?」

「……お願い。
今は、純平の事だけ考えていたい…」

誤魔化すようになってしまったけれど
本当に心の底からそう思った。

今はただ…

彼の温もりで
心の乱れを治したい。

辛い気持ちを…

救って欲しい…

訴えるような瞳で
彼を見つめた。

彼は、そんな私に応えるかのように
ぎゅっと抱きしめてくれた。

静かに目を閉じ
彼の背中に手をまわす。

次第に心が落ち着いていくのが
わかった。

と、同時に
今日の出来事を純平に言えない事を
苦しく、後ろめたく思った。

元々、秘密を作る事も
嘘をつく事も
苦手なのだ。

《肝心な時に頼れない人を
彼氏って呼べるのか?》

雄大の言う通りだ…

私の彼氏は…

一番頼りたいのは、純平。

だから…ちゃんと話したい。

でも……

誕生日のプレゼントを買う為に
バイトをしたと彼が知ったら?

奈津さんが
しむけた事だと知ったら?

きっと彼は
心を痛めるだろう。

全ては…

私が剛くんに
毅然とした態度を
とれなかったのがいけなかったのだ。

そんな思いが邪魔をして

話したいのに

どうしても言えなかった。