「こんなに夜遅く出掛けたら
危ないだろ…って説教してたんだよ。

……ゴメン

泣かせるつもりじゃなかった。」

彼はそう言うと
申し訳なさそうに頭を下げた。


違う…

雄大は悪くない。

私が勝手に泣いただけで、、、


手を伸ばし
そう言いたかったけれど

どう言い訳をしても
この状況の中
彼の立場を
悪くしてしまうような気がして



何も言えなかった。

「純平、あまりまゆを
遅くに連れまわすなよ。

何かあったらどうする?」

雄大が真剣な顔をして
純平に詰め寄る。

すると

「何かあったら
全て責任とりますよ。」

「全て…ねぇ…」

純平の迷いのない言葉に
ふぅ…と溜め息をついた。

そして、チラリと私を見つめ
少し諦めたような、困った顔をした。

「まゆ、あまり遅くならないようにな。
俺だって、いつまでもフォロー出来ないぞ。」

「……うん、わかってる。」

ポンと私の頭を叩くと
雄大は、純平に目配せをし
そのまま家に戻っていった。

チラリと純平の顔を見ると
口に手を当てて
何かを考えているような顔。

「純平?」

声をかけても
何も返事がない。

「純平!!!」

再度、呼ぶと
ハッとした顔。

「……ゴメン。」

珍しく、純平が素直に謝るから
びっくりする。

「……どうしたの?」

彼の顔を覗き込む。

すると

「いや…雄大さんの言う事も
もっともだな…って。」

「え?」

「俺、お前に会いたくて
思わず来ちまったけど、、

よくよく考えたら
女子高生を深夜に呼び出すとか
非常識だよな。」

「何を…今更!

散々深夜に呼び出してんじゃん!
酔っ払って電話してきた事もあるし。」

「はは…だな。」

「そうだよー!」

2人でふふ…っと笑う。

そして

視線がぶつかった瞬間…




どちらからとなく
自然にキスをした。


深夜の…

しかも

自宅前なんて…


けれども


そんな事を心配する余裕もない程
私は、純平の温もりを欲していた。


彼の唇で

全てを浄化して欲しかった。


「まゆ…」


彼の声が
耳元で響く。


それだけで
全身がビビッと
雷に打たれたかのように


彼への思いが溢れ…巡っていく。


剛の事や雄大の事が心配なのに……


さっきまで、それで悩んでいたのに…


彼と触れあっているだけで
今のこの幸せを優先してしまう自分。


いけない……と、思いつつも


もう目の前の彼しか見えない程
私は、彼に溺れていた。