どうしよう……


もう直ぐ……純平が来てしまう。


誕生日のサプライズで
バイトを始めて

その事がきっかけで
剛と関わる事が増えて
こんな事になったとバレてしまったら…

「お願い…

純平にだけは言わないで欲しい。

バイトはね、純平の誕生日プレゼントを
買う為に始めたの。

だから、今は…知られたくない…」


「そんな事言ってる場合じゃないだろ?」


「そんな事って…!

私にとっては、凄く大事な事だよ!!

雄大には助けて貰って感謝してる。

……でも

これは、私の問題だし
今は、そっといておいて欲しい!!」

やや声を荒げて彼に訴えた。

真剣な眼差しで
彼をじっと見つめる。

早く話を切り上げたかった。




けれども……

「……それは無理だ。」

「何で?!」

「お前が心配だから。」

「だから、私がいいって言ってるじゃん!!
何でそこまで雄大に
指図されなきゃならないの?

お願いだから…ほうっておいてよ!!」

半分叫ぶように声を張り上げる。


もう話は平行線だ…

悔しいの悲しいのか
涙がじわりと浮かび

私は隠すように、再び彼に背を向けた。


すると…


「……ゴメン…」


雄大は静かに謝った。


「俺は……お前のあんな怯えて苦しむ姿…
もう二度と見たくないんだよ。」

「……雄大…」

彼の眼差しが
痛いくらいに刺さって

胸がズキンと響いた。


「………ごめんなさい。」

「保護者ずらされて
ウザイって思われてるかもだけど…

そうじゃない。

俺がお前を心配するのは…

お前が好きだから。」

「…………うん、わかってる。」

「いや、わかってない。」

「え?…」

「お前、何もわかってない。」

雄大の言いたい事の意味がわからず
思わず首を傾げる。

「わかってないって…どういう事?」

「俺の言う好きは、家族愛とかじゃないよ。」

「……え?」

「意味、わからない?」

雄大なちょっぴり困った顔をして
ふぅ…と、ため息をついた。