少しでも気持ちが緩んだら
泣き出しそうだった。

必死で笑顔を作り
気持ちを立て直す。



…………けど



話しながら



ポロリ…


純平の声を聞いて

心の中に溢れていた
色々な思いが
上限を超えてしまったのか

涙が頬から伝ってきた。

「…………っ」


我慢……しなきゃ…

純平が変に思ってしまう……

そう思うのに

思えば思うほど
涙が止まらなくなってしまう。

そして

そんな私の様子に
純平が気がつかない筈がない……


「……まゆ……?

泣いてるのか?」


「……ううん、泣いてなよ

ちょっと鼻水がっ……」


震えた声で嘘をついても
バレバレなのに……

「何かあった?」

「……なにも……」

「そんな訳ないだろ?」


私が何も応えないから
何かを察したのだろうか?


「今から行くから!」

「えっ?……ちょっと…待って」

「何で?」

「私なら…大丈夫だから。」


彼の勉強の妨げになりたくなくて
必死で涙を抑え、冷静に話す。


ところが……


「俺がお前に会いてぇーんだよ!!」


彼はそう言うと


私の返事を待たずに
荒っぽく電話を切った。