*咲希のお話部屋*

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現在エブリスタにて

『いい女の条件~彼から学んだ事』
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アップしています。

自分の部屋に入り
部屋の片付けをする。

意味がないのはわかっているけど
諒太が来るからと
念入りに髪を整え、軽くリップをし
お気に入りの服に着替えた。

台所へ行くと
母親が鼻歌を歌いながら
弟の直哉と晩御飯の準備をしていた。

「あれ?直哉…今日は早いね?」

「テストだったから午前中だったの。

てか、姉ちゃん手伝ってよ~!
俺、受験生なのに手伝わされてるし。」


「どうせ、部屋に戻っても
漫画やゲームでしょ?」


私が言うと


「そうそう!」


母が、笑いながら同意した。


「えー?そんな事ねぇし!」


直哉は反論したものの
図星を突かれたようで、苦笑いをした。



我が家はいつも
お寿司と言えば巻き寿司なのだけど


今日は何故か、母の気まぐれで
にぎり寿司だった。

「にぎり始めて後悔したよ~

こんなに大変だと思わなかった。」


ちょっぴり困った顔の母。

「母ちゃんって、本当に計画性ないよな。」

「ウルサい!さっさと、握る!

まゆは、そっちのネタ
包丁で切ってくれる?」

「は~い!」

我が家はいつもこんな感じ。

おちゃらけた弟と

肝っ玉系で、フレンドリーなお母さん。

そして…

穏やかで優しい父。


自分で言うのもなんだけど


とても恵まれて
幸せな家庭だと思う。


そして、今日は


好きな人がやってくる。


彼女がいる人なのに
胸が高鳴っている私は
本当にバカだと思うけれど


それでも私は


嬉しい気持ちを
抑える事が出来なかった。





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*

部活を終えて家に帰ると

家の前で、諒太の兄…雄大が
綺麗な女の人と話をしていた。

「あ、まゆ。お帰り~!」


雄大が私に声をかけると
隣りの女性は
私をチラリと見て
軽く会釈した。


私もつられて会釈する。


「あ、うん。ただいま。」


「今日、寿司らしいぞ!
さっきおばさんが
晩御飯、一緒にたべよっうて。」

「あ、本当?」


「諒太は?…

今日は部活休みだよな?

彼女の家?」


「あ…うん。多分そう。

8時頃来るって。」


「そっか!じゃあ、また後でな。」


彼は笑顔でそう言うと
再び、女性と話し始めた。


雄大は、諒太の1つ上の兄。


見た目は諒太とは対称的で
栗毛のサラサラヘアーで
一般的に、誰が見てもイケメン。


身長も180センチと高く
スラリとモデルのような体型。
地元の進学校に通う、いわゆる優等生。


性格は穏やかで
いつもニコニコ笑っていて
怒ったところを
見た事がないくらいの人。


この人もまた…昔からモテる。


こんな風に、家の前で
女性と一緒のところに遭遇するのは
よくある事だった。


けれども、彼は秘密主義で
彼女がいるとか、恋愛の話は
今まで一切、話した事はなかった。


そんなちょっぴりミステリアスな人。


モテモテの有名兄弟と幼なじみで
昔から羨ましいと言われていたが


私は…ちっとも嬉しくなかった。


近過ぎる為に…
全く女扱いされない。

 
諒太に告白して
気まずくなりたくなくて


アクションを起こす事が出来ず
結局…他の人にとられてしまった。


諒太から彼女の話を聞くたびに
胸が苦しくて…いられない。


幼なじみなんて…


ちっとも嬉しくない。




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*

「まゆ~!帰ろ♡

てか、相変わらず、諒太君
テンション高いね。」

親友の美緒が
苦笑いしながらやってきた。


「…まぁ、いつもの事だから。」


「帰りに…って…

また、彼女に会ってから来るの?」


「あ…うん。そうみたい…」


「いくら幼なじみだからって…

私が彼女だったら嫌だな~。


あんた達
てっきり付き合ってるのかと
思ったぐらい仲良しだし…

まゆ…めちゃくちゃ可愛いし。」


「はは…

まぁ~、くされ縁だからね。

諒太は、私の事なんて
女だと思ってないよ(笑)」


「ふ~ん。」


諒太と私の家は
斜めお向かい

偶然にも私達は
生まれも一週間違いだった。

彼の母親は未亡人だった為
私の両親は、なにかと気にかけ

諒太と、諒太の兄の雄大は
小さい頃から
我が家にしょっちゅう出入りしていた。


私は…


物心ついた時から
諒太の事が好きだった。


もちろん彼は
私の気持ちなんて知らない。


完全な私の片思い。


そんな彼は
中学の時に告白され
彼女を作った。


私は、あまりのショックに
彼と違う進学先を…と
彼から離れる事を決めた。


彼とも、彼女とも
学力がほぼ同じランクだった為
このままいったら
みんな一緒の学校になってしまう。

だから私は、がむしゃらに勉強して
一つ上のランクの高校を目指した。


どうしても
2人から離れたかったし


だからといって
ランクを落とすのは嫌だったから…。


もう諦めよう。


会えなくなれば…きっと忘れられる。


そう思っていたのに


なのに…


皮肉な事に


彼は…私と同じ高校に入ってきた。




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