*咲希のお話部屋*

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現在エブリスタにて

『いい女の条件~彼から学んだ事』
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「お前の事、ずっと好きだった。

子供の頃から…」


明らかにいつもの雄大とは違って
少し低いトーンで話すから…


目が…そらせない。

何て答えていいのか?
言葉に詰まってしまった。

「お前が諒太を好きだって
ずっと前から気づいてた。

だから、俺は…

ずっと自分の気持ちを言わなかった。

諒太なら……

諒太なら安心して
お前を任せられると思ったから。



……けど、、、」


「……っ、諒太には彼女が…」


諒太に彼女が出来て
落ち込んだ時の事を思いだす。


本当に…あの時は
地獄のような毎日だった。


「そうだな…」


彼はポツリとそう言うと
愁然として頭を垂れた。

「私……

純平のお陰で立ち直れたの。

純平がいなかったら
きっと、ずっと
メソメソしていたかもしれない。」


私の言葉に
雄大は静かに顔を上げた。


「雄大が、私を
想ってくれていたのは嬉しい。

私も、雄大の事…大好きだから。

でもね

今、私が一番に会いたいのは
純平なの。

いつも頭の中に浮かぶのは
彼なの…

だから………


ごめんなさい。」


残酷な言葉をかけているのは
わかっていた。

でも、自分も…

下手に期待をしてしまうような
曖昧にされるのは 
嫌だったから…

ここは、はっきり言いたかった。

雄大の為にも…


……けど…


雄大の気持ちを思うと
涙が溢れてくる。

彼も私と同じだったのだ。

彼は一体
どんな覚悟で
私に気持ちを伝えたのだろう。

ずっとずっと
秘めていた思い。

本当は、こんなタイミングで
言うつもりじゃなかったはず。

それを思うと
苦しくてたまらない…

ギュッと拳を握り締め
目を瞑り、唇も噛み締める。

けれども、我慢しようとすればするほど
次から次へと涙が溢れてきて




もう…止まらなかった。


「俺の方こそ、ごめん…
泣かせるつもりじゃなかった。」

雄大の声が頭上から
僅かに聞こえた瞬間…



「……まゆ!」


走ってきたのか

息を切らせ
ハァハァとした純平がやってきた。

「じゅん……ぺい…」

涙でグチャグチャな顔の私を見て
驚いた顔。

「まだ泣いてたのか?
一体、何があったんだよ?」

キッと、雄大を睨み付け

「雄大さん、これ…どういう事ですか?」

「……純平、違うの…これは私が…!」

私が弁解しようにも
彼は、きかない。

きっと、さっきの電話も
雄大がからんでいると
誤解している…


「雄大さん!」


純平の声が静まり返った場所で
大きく響く。

すると

ふぅ…と、溜め息をつきながら

雄大が静かに話し始めた。






どうしよう……


もう直ぐ……純平が来てしまう。


誕生日のサプライズで
バイトを始めて

その事がきっかけで
剛と関わる事が増えて
こんな事になったとバレてしまったら…

「お願い…

純平にだけは言わないで欲しい。

バイトはね、純平の誕生日プレゼントを
買う為に始めたの。

だから、今は…知られたくない…」


「そんな事言ってる場合じゃないだろ?」


「そんな事って…!

私にとっては、凄く大事な事だよ!!

雄大には助けて貰って感謝してる。

……でも

これは、私の問題だし
今は、そっといておいて欲しい!!」

やや声を荒げて彼に訴えた。

真剣な眼差しで
彼をじっと見つめる。

早く話を切り上げたかった。




けれども……

「……それは無理だ。」

「何で?!」

「お前が心配だから。」

「だから、私がいいって言ってるじゃん!!
何でそこまで雄大に
指図されなきゃならないの?

お願いだから…ほうっておいてよ!!」

半分叫ぶように声を張り上げる。


もう話は平行線だ…

悔しいの悲しいのか
涙がじわりと浮かび

私は隠すように、再び彼に背を向けた。


すると…


「……ゴメン…」


雄大は静かに謝った。


「俺は……お前のあんな怯えて苦しむ姿…
もう二度と見たくないんだよ。」

「……雄大…」

彼の眼差しが
痛いくらいに刺さって

胸がズキンと響いた。


「………ごめんなさい。」

「保護者ずらされて
ウザイって思われてるかもだけど…

そうじゃない。

俺がお前を心配するのは…

お前が好きだから。」

「…………うん、わかってる。」

「いや、わかってない。」

「え?…」

「お前、何もわかってない。」

雄大の言いたい事の意味がわからず
思わず首を傾げる。

「わかってないって…どういう事?」

「俺の言う好きは、家族愛とかじゃないよ。」

「……え?」

「意味、わからない?」

雄大なちょっぴり困った顔をして
ふぅ…と、ため息をついた。





その場に気まずい空気が流れる。

彼と目線を合わせられなくて 
俯き、手をぎゅっと握った。

「別にさ……

俺だって意地悪したくて
言ってるんじゃないよ。」

声のトーンが
少し声が穏やかになった。

恐る恐る顔を上げ
視線を彼に向けると

彼は、再び大きなため息をついた。

「今日……
あれだけ怖い思いしたんだぞ?

こんな夜に、1人で外に出るとか
ありえないだろ?

純平は…

今日の事、知ってるのか?」


私は黙って首を振った。


「何で話さない?

お前は被害者なんだから
言えないような事なんてないだろ?」

「……それは…」


元はと言えば私の責任だし




誕生日の
サプライズだったから……



…………そう言いたかったけれど


何を言っても

きっと彼は
納得してくれない気がして……

「ゴメン……もう、そろそろ
純平来るから…!」

私は、逃げるように話を切り
彼に背を向け、歩き出した。

こんな所
純平に見られたら

きっと嫌な思いをする…

だから

早く終わらせたかった。

雄大から離れたかった。


なのに……


それがいけなかった。


「おい、待てよ!」


背後から
ギュッと手首を掴まれた。

恐る恐る、後ろを振り向く。

「話はまだ終わってない。
言いにくいなら、俺が直接言う。」

「……っ、それは…ヤメて!!!」

懇願するような眼差しで
じっと彼を見つめる


けれども…


彼は、首を振り
厳しい姿勢を崩さなかった。

「これからアイツと
付き合っていくのなら…

どんな事情があるにせよ
きちんと話さないとダメだ…!」


雄大の真剣な眼差しに

私は、身動きがとれなくなった。








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